年齢とともに増える目の病気には、緑内障・白内障・加齢黄斑変性の3つがあります。これらの病気は、放置すると視力低下や、最悪の場合は失明に至ることも。しかし、早期発見と適切な対策で進行を抑えることが可能です。今回は、それぞれの特徴的な症状と、今日からできる効果的な予防法を解説します。
知っておきたい「3大眼病」サイン
1.緑内障 ―「見えない部分」が広がる前に
日本人の中途失明原因の第1位とも言われる緑内障は、視神経が損傷し、徐々に視野が欠けていく病気です。初期段階では自覚症状がないため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。
こんな症状が出たら要注意:
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視野の一部が見えにくい(特に周辺部)
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階段で踏み外しやすくなる
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車の運転時に標識を見落とすことが増えた
効果的な予防&対策:
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40歳を過ぎたら年1回の眼科検診を習慣に
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特に家族に緑内障の人がいる場合は必須
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眼圧検査・眼底検査・視野検査をセットで受けるのが理想的
2.白内障 ― 水晶体の“曇り”を取り除く方法
「目のレンズ」である水晶体が白く濁ることで起こる白内障。加齢が主な原因ですが、糖尿病などの生活習慣病もリスク要因になります。
最新の治療情報:
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初期なら進行を抑える点眼薬が有効
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根本的な治療には手術が必要
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現在主流なのは、15分程度の日帰り手術(超音波乳化吸引術)
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多焦点レンズで老眼も同時に改善できる場合も
※手術時期については専門医との相談が重要です ※術後の感染予防のため、指示通り点眼薬を使用しましょう
※糖尿病がある場合は、血糖コントロール状況により適応時期が変わることがあります
日常生活での注意点:
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UVカットサングラスの着用(365日)
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禁煙(喫煙者は非喫煙者の約2倍リスクが上昇)
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**抗酸化作用のある食品(ビタミンC・Eなど)**の摂取を意識する
3.加齢黄斑変性 ― 中心が見えなくなる前に…
**網膜の中心部にある「黄斑」**に障害が出る病気で、視力低下や変視(ものが歪んで見える)を引き起こします。60歳以上の約1%にみられ、食生活の欧米化も増加の一因と考えられています。
危険因子チェックリスト:
- 肥満(BMI25以上)
- 喫煙習慣がある
- 魚よりも肉中心の食生活
- サングラスを日常的に使っていない
- 高血圧・動脈硬化がある
予防と早期発見のカギ:
- サプリメント摂取(ルテイン・亜鉛・ビタミンE)
- 緑黄色野菜や青魚の摂取
- 定期的な眼底検査
- **片目ずつの見え方チェック(Amslerグリッドなど)**を習慣に
まとめ:50代からの“目の健康習慣”が未来を守る
3大眼病はどれも初期症状がわかりにくいため、早期発見と定期検診が命運を分けます。特に50代以降は、年1回の眼科受診をルーティンに。
健康寿命とともに「視る力」を守ることも、人生のクオリティを大きく左右します。